日本の高等学校野球連盟は20日、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、オンラインで第102回全国選手権大会の運営委員会と理事会を開催し、8月10日から予定されていた夏の甲子園大会の中止を決定しました。中止の理由について、多くの学校が休校していたため地方大会の開催に間に合わない、代表校が全国から移動し集団で宿泊することなどでの感染リスクを挙げました。史上初の春・夏大会のない年となりました。
今の3年生にとって、「甲子園に行く」夢や目標が途絶えてしまい、野球の引退は一ヶ月も早まることになりました。プロ野球のドラフトや大学受験や就職活動の準備など、重要な期間に入りましたが、この時間を有効に使って自分が満足できるような結果を残してほしと思います。
甲子園の中止について、北陸朝日放送は遊学館のキャプテンと山本監督に集材を行い、甲子園に対する思いを語っていました。キャプテンを務める寺田くんは、部活動ができないものの、日々気になったニュースを読み、思ったことを部員たちにグループLINEなどで共有したり、部員一人ひとりに手紙を書いて送っていました。寺田くんは、「甲子園は人生の全てではなく、この貴重な経験をいかして次のステップに万全な準備をしていきましょう」と部員たちを励ましました。
また、昨年高知県の秋大会で優勝を果たした高中央高校の菅原キャプテンも地元の新聞メデイアに取材されました。甲子園の中止について、菅原くんは、甲子園行くため、1年生のときから仲間たちと努力してきましたが、今回の新型コロナウイルスで命が奪われた人も多くいたので、高等学校野球連盟の意思を尊重しますと悔しい涙を流しながら取材に応じました。
三年生の台湾生徒たちも悔しい気持ちがいっぱいあると思いますが、これまでやってきたことは今後の人生に繋がると思います。次のステップに向かって、引き続き一緒に頑張っていきましょう。
遊学館高校新聞如下
高知中央高校
甲子園のない夏 2020.05.22
石川県の遊学館高校に留学している3名の台湾生徒は日本の春休み期間中に台湾に帰省していました。現在は日本に戻りましたが、コロナウイルスの関係で練習できず、その代わりに日々自主練習を取り組んでいます。今回は、彼らが最近取り組んでいる様子を紹介いたします。
陳くんは、この1ヶ月間は打撃の調子が良くAチームに抜擢されました。しかし、守備練習のときの一つのミスでBチームに降格でした。本人は、一つのミスで今までの努力を台無しにしてしまうので、何事も大切にすることを学びました、と。江くんは、守備練習で一つのプレイを確実に処理してなかったため、監督に基本的なことはまだ出来ないと言われていました。その後は反省と修正を経て、次の紅白戦で良いプレイを見せ、監督に褒められていました。彼は昔から基本動作の練習はつまらないと思っていたそうですが、今回の経験を通じて、基本動作の大切さを改めて感じることができたとのことでした。また、高くんも紅白戦に登板しました。全力でストライクゾンに攻めるという今までと違う気持ちで試合に臨んだとのことで。その結果、ストライクゾンに外れるボールの数が少なく、失点もなかったと良い投球内容でした。本人はまだまだ満足せず、軸足の爪先の使い方を今後の課題としました。
このところは自主練習の時間が増えたため、選手自ら私たちに「野球だけではなく、日本語の勉強も頑張ります」との連絡をいただきました。日々の努力は自信につながると思いますので、この気持ちを忘れずに引き続き取り組んでほしいです。一緒に頑張りましょう。
遊学館高校台湾生徒近況報告 2020.04.24
先日、群馬県利根商業高校に留学している周くんは日本の春休み期間に台湾に帰省しました。台湾にいる間は気持ちと技術を保つよう、母校の新泰中学校でトレーニングをしています。また、中学校の指導者のお招きで日本の留学経験について講演をさせていただきました。その様子をご紹介いたします。
当日は野球部の後輩に「学業と野球における台湾と日本の違い」をテーマに話しました。なぜ日本に留学したいのか、そして一年目にあった困難と、それを乗り越える方法について話しました。その中で特に台湾の後輩に、今から身につけて欲しい1年間日本で学んだ三つことを取り上げました。一つ目は、「自主的に取り組む姿勢を持つこと」。二つ目は「明確な目標を設定と強い心を持つこと」。三つ目は「時間を大事にすること」でした。この三つを後輩たちを励ましながら強調しました。
野球と勉強を両立することは決して簡単ではありませんので、全て学習と思って失敗経験から学ぶことが成長に繋がります。彼も4月から2年生になりますが、勝負はこれからです。後輩に学びを提供しながらご自身も成長を続けて欲しいとおもいます。これからのご活躍を楽しみしております。
留学生による講演会 − 学業と野球における台湾と日本の違いについて 2020.04.17
岡山県に留学している興譲館高校の台湾の生徒たちは3月から春季大会に向けて日々準備に励んでいます。4月は新学期であり、3名の台湾生徒は辛い一年目を乗り越えて今月で先輩となりました。
興譲館高校は、甲子園常連校の立正大淞南高校、また昨年の夏大会で王者となった学芸館高校と練習試合をしました。3名の台湾生徒は全員出場しました。特に廖くんは2日連続で甲子園チーム相手に先発投手として登板し、4イニング2失点と6イニング2失点で合計10イニング4失点の好成績を残しました。また、両試合とも球速が140キロを計測されましたが、本人は制球力と変化球の切れ味をこれからの課題としました。黄くんと陳くんも実戦から多くの課題を見つけられたと収穫を語っていました。
4月から一年生が入り、新たな学期は部内での競争も激しくなりますが、3人とも引き続き野球と勉強を頑張ってもらいたいと思います。
興譲館高校近況報告 – 春季大会に向けて 2020.04.10